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後藤教会長

〜教会長のいい福通心(つうしん)215号〜

20日から本部をはじめ、福井教会、別居支部でも寒中法華三部経読誦修行がはじまりました。法華三部経を読誦していますので、今回から、『佼成』(1977年10月)開祖さまご法話「法華経をどう読むべきか 五種法師について」学んでみたいと思います。

○秋は実のある書を読む季節

涼しい風が吹きわたって、身も心も引き締まる時候となりました。これまで外へ外へと向いていた人の心も、ひとりでに向きを変え、あたかもはるかに旅する者が故郷を恋い慕うように、魂の奥へ奥へ、奥にあるなにものかへと、しきりに回帰するのがこの季節です。

人間だけではありません。春から夏にかけて盛んに枝葉を茂らせ、美しい花を咲かせた植物たちも、その活動を豊かな実りに蔵(きす)め、つぎなる生命の展開のためにしばらく沈潜と蓄積の時を持つのです。大自然の営みはまことに素晴しいものだと、あらためて感嘆せざるをえません。

内への回帰の一つの現れとして、わたしどもの志向は読書へとおもむきます。それも、どっしりとした、読みごたえのある、永遠の生命を秘めた書籍へと、自然に手は伸びてゆきます。もしそうでない人がいたとしたら、気の毒ながら、その人は知的に行き止まりで、ちょうど実を結ばぬ植物のようなものだといっても、さしつかえはないでしょう。

さて、わたしどもが所依の経典としている『法華経』にも、広い意味の読書のすすめがあるのです。それは法師品第十に説かれている受持(じゅじ)・読(どく)・誦(じゅ)・解説(げせつ)・書写(しょしゃ)の「五種法師(ごしゅほっし)」です。法華経は世に冠絶した書物です。人類が持ち得た最高の本です。宇宙の真理を極めつくし、人間がその真理とどうかかわっているかを説き明かし、どうすれば「不滅のいのちの世界」に入ることができるかを教えた、永遠の書です。

その法華経をどう読めばいいかを述べた方法論が、この「五種法師」なのです。

わたしは、この秋に何を読むべきかと問われたら、躊躇なく法華経と答えましょう。まだ一度も読んだことのない人にはもちろんのこと、かつて何回、何十回と読んだ人にも、あらためてじっくりと読んでみることを勧めるでしょう。このような永遠の書は、読むごとに新しいなにものかを教えてくれ、読むごとに深い奥処に分け入ることができるからです。

みなさんも、同じようなことを人に聞かれたら、法華経をお勧め下さい。また、あなたがた自身も、心静まる秋の夜にもう一度、法華経を読み直してみて下さい。その一助として、「五種法師」について少しばかり解説しておきたいと思います。

初めに受持ということが説かれています。これが最初に置かれているのは、受持がもっとも大切であり、これなくしては法華経を読んだ値打ちがないからです。ですから、五種法師の中でも受持は正行、他の四種は助行(正行を助けるための行)と呼ばれているのです。

読書の秋(10月)のご法話ですが、寒修行中だからこそ深く感じることがあると思います。

私たちの所依の経典である法華経は、2,000年以上読まれている超ロングセラーです。寒修行中に法華経を真心から読誦し、法華経の有り難さを味わっていきましょう。

次回までよろしくお願いします。



戒名室に飾られている掛け軸です。

定期的に替えていただいています。

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