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  • 後藤教会長

~教会長のいい福通心(つうしん)105号~

今回は、十界互具の中でも私たちが最も陥(おちい)りやすい六道の世界の地獄界について学んでみたいと思います。


○地獄界(じごくかい)-怒りの世界(カッカ状態)

昔は「悪いことをすると死後に地獄界に行かなくてはならない」と言って、人を悪に走らせないブレーキの役目を果たしていました。地獄とは地底の牢獄(ろうごく)という意味です。いまの若い人たちに地底に牢獄という世界があるといっても通用しないでしょう。

それでは、地獄とは人間のどのような心を象徴しているのでしょうか。地獄は怒りの心を言い表しています。人間、怒りに突き動かされると、自分を見失い、無関係なものにまで八つ当たりしたくなるような地獄の心をカッカ状態と呼ぶのです。

怒りは、あらゆる人間関係をそこねる要因となるものですが、なぜ人間は怒りの心に駆り立てられるのでしょうか。それは、自分の願うように他人が思ってくれないとか、自分の思うように人を動かしたいといった自己中心の心が私たちの心の奥深いところにあるからです。その自己中心の心が押さえ込まれると欲求不満に陥(おちい)り、こらえられなくなると爆発します。それが怒りです。実際、私たちは、妻や夫、姑が自分の思い通りにならないといっては腹を立て、仕事が思うようにいかないといっては周囲に八つ当たりします。それだけで済めば問題はないのですが、その怒りは必ず人間関係にシコリを残します。そのシコリがもとでどうにもならない憎しみの関係に陥ることだってあるのです。

よく、人もうらやむほどの夫婦関係や友情関係を保っていた人たちが、些細(ささい)なことから憎しみをむき出しにしてののしり合うような関係に変わることがあります。それは、自分の思いどおりにならない相手への怒りが抑え切れなくなって、その不満をむき出しの言葉で言い放ったことが原因である場合が多いようです。人間は感情の動物。出会う縁によって一瞬のうちに心は怒りに占領されます。そして、我を忘れるほどの怒りに突き動かされる自己中心の心を持ち続けている限り、地獄はいつまでも私たちの心に生き続けていくのです。


今回は、出会いによって自分の心が地獄界になっていないかを見つめてみましょう。

気づき、発見、疑問、感想等があれば、コメント入力してください。

次回までよろしくお願いします。




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