今回は六道輪廻の畜生界(ちくしょうかい)を学んでみましょう。
○「畜生界(ちくしょうかい」-本能のままに動く心の世界(ブーブー状態)
「餓鬼(がき)」の次は「畜生」の世界です。「畜生」とは、普通、人に養われて生きている動物、あるいは、鳥獣や虫魚の類(たぐい)をいいます。
しかし、六道の一つとしては、ものの理(ことわり)が全然わからない愚かな状態におかれている心のことをいいます。
つまり、因果の道理がわからないために、ただ本能の命ずるまま、したいことをする状態です。または、ぐちをいっている状態です。
たとえば、身から出たさび、自分がまいた種なのに、自分のことは棚に上げて、「おれの不幸はあいつのせいだ」と思い込んでしまうのです。
また、酔っぱらって自分でつまずいて転んだのに、「そこにバケツを置いたやつが悪い」と、バケツを蹴とばしているようなものです。
さらに、自分でお金を借りたのに、返してくれといわれると「ケチなやつだ」とブーブーと文句を言ってしまうようなことです。
最後に、「彼といっしょになれないなら死んでしまう」などといって結婚したのに、何年か経つと鼻について、「前に付き合っていた彼のほうが私を幸せにしてくれたかもしれない」と、いまごろになってブーブー文句を言う。ぐちが出てブーブー状態、これが畜生界です。
今回は、自分のことを棚に上げて、文句を言っている「ブーブー状態」になっていないかを見つめてみましょう。
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次回までよろしくお願いします。