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  • 後藤教会長

~教会長のいい福通心(つうしん)112号~

今回は、六道輪廻のふりかえりです。自分の日常を思い浮かべながらお読みください。


○「六道輪廻」のふりかえり

たとえば、会社で上司に言われたことが気に食わず、喧嘩をする。このすぐにカッとなるのが地獄(じごく)です。面白くないので会社の帰りに飲み屋に寄ってガツガツと食べ、そして飲む。これが餓鬼(がき)です。因果の道理をわきまえず自分の非を棚に上げて愚痴る。あるいはブーブー不平を言う。海外のある女性は、40年間毎日一箱以上のたばこを吸って肺がんになった。しかし、自分の非は棚に上げて、たばこ会社を告訴したという。まさしく、これが畜生界(ちくしょうかい)の生き方です。

それで店の勘定を終えて外に出たとたんにポリバケツにつまずいて転びそうになり「だれがこんなところにバケツなんか置いたんだ」と、イライラして蹴飛ばす。これが修羅(しゅら)です。

その後、とにかく電車に揺られてひと眠りし自宅のある駅に着き、家路をたどるころには、酔いが少し覚めてくる。すると、「飲みすぎたな」と、さすがにちょっぴり後悔の念がわいて、怖い奥さんの顔もちらつき、子どもにも何か買ってきてやればよかったかなといった反省と、「まあ、いいか」という気持ちが交錯して心が乱れてしまう。これが人間界(にんげんかい)のフラフラ状態です。

ようやく我が家に無事たどり着いたのはいいが、「ただいま」と玄関を開けても、奥さんの「お帰りなさい」の声はない。「お疲れさま」どころか「また飲んできたの!」と冷たいひと言。さらに「よく道を間違えずに帰ってきたものね」と嫌味のひと言の追い討ちがかかって、「こんなに毎日がんばって働いているのに、なんでこうなっちまうんだ」と、ほろ酔い気分も完全にふっ飛んでしまい、ただただ自分が惨めになるばかり・・・・・・。

これを仏教では「天上界(てんじょうかい)から落ちる」というのです。ちなみに天上界とは有頂天のことで、これはすぐ冷めるからルンルン状態といいます。

六道輪廻とは生まれ変わり死に変わりしながら輪廻することですが、そんなに長いサイクルで考える必要はありません。ここにあげたご亭主は、たったひと晩で六道のすべてを輪廻したことになります。しかも、その六道の海に溺れている自分に気づいていないのです。奥さんも嫌味を言うだけで、心底からの自覚はないのです。

考えてみれば、かなり酔っ払っているのに、車にもひかれずに無事に帰ってきてくれたのは有り難いことです。そして、夫婦がそろって元気でいればこそ夫婦喧嘩もできるのです。相手がいなくなって一人きりになってしまったら夫婦喧嘩をしたくたってできないのです。

こちらが「とんでもない相手と結婚してしまったものだ」と後悔している時には、必ず相手も心の中で同じ後悔をしているのです。


今回は、どんな出会いによって心が六道輪廻していたかを見つめてみましょう。

気づき、発見、疑問、感想等があれば、コメント入力してください。

次回までよろしくお願いします。




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