~教会長のいい福通心131号~
前回は「セロトニン」の作用を学びました。今回は、読経がなぜ、「セロトニン」を分泌させるのかを、有田秀穂先生(脳生理学者)の記事(『やくしん』2016年2月号)から学んでいきましょう。
セロトニンは普通の生活でも分泌(ぶんぴ)されますが、あることを行うと分泌が高まり、幸せな状態が継続されます。高僧ほど凛とした佇(たたず)まいとなるのは、高分泌が継続状態にあり先の五つの効能を私たち以上に受けているからです。その状態を作るのは僧侶が普段、修行として行う「読経」や「坐禅」なのです。正確には、読経や坐禅を行う際の呼吸のリズム運動が、セロトニン分泌を促してくれます。
日頃生きていくためにする呼吸は、私たちの細胞を生かすために、呼吸中枢が指令を出し鼻と口から空気(酸素)を取り込みます。読経の場合は、大脳が読経の指令を出し、声を出すために腹筋を収縮させて息を吐き出します。坐禅もこれに似た呼吸法を行います。この腹筋呼吸のリズム運動が、セロトニン神経を活性化させ、セロトニンの分泌を促してくれるのです。
読経実験で分かったことは、意味が分かりにくい文言(もんごん)をただ暗唱しているときに、よりセロトニンが分泌されていました。また、念仏を延々と唱えているときもたくさん分泌されることも分かりました。何も考えていない状態で、リズム運動を行なうとセロトニンが多いに分泌されるのです。頭の中の想念を払い、無心で経文を唱えることが、セロトニン分泌には一番効果的といえるでしょう。
無心で読経をすることが大事なのですね。読経をしていていろいろなことが浮かんできて、浮かんできたと思ったらそこからさらに大きな声で読経することが大事であるとも教えていただきました。
今回も、身心共に功徳があるご供養を真心込めてさせていただきましょう。
次回はセロトニンの分泌を促す最適な読経の方法を学んでみましょう。お楽しみに。
次回までよろしくお願いします。
コメント(気づき、発見、疑問、感想等)があれば記入してくださいね。
写真は前回にも紹介しましたが、勝山駅近くの日蓮聖人石像前で、壮年さんが元気に万灯奉納した様子です。
今年は福井教会発足65周年の記念として、10月23日に壮年さんにより6年ぶりの洗浄機による奉仕が行われ、
そして30日にご供養と壮年さんによる万灯奉納がありました。
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