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後藤教会長

~教会長のいい福通心(つうしん)143号~

今回も「怒り」について考えてみたいと思います。前回の続きで、やくしん(2010年6月号)の「怒りの裏にある心の声を表現する」(心理カウンセラー 藤井雅子)から学んでいきましょう。


〇予期せぬ怒りへの“処方箋”

では、思わぬ場面に遭遇して急に怒りが湧いたときは、どのように対処していけばいいのでしょう?例えば、車を運転しているとき、突然他の車が割り込んできたら、あなたの心はどんな反応をしますか?「危ないじゃないか!」と瞬時に怒りが湧いてくる人は多いのではないでしょうか。

このとき、あなたの怒りの背景には、「交通ルールを守るべきだ」という相手に対する強い期待感、「~べき思考」が働いています。交通ルールを守ることは当然ですが、考えてみてください。相手に非があっても警察官でない限り、私たちがその相手を捕まえたり違反キップを切ることはできません。また冷静に振り返ってみれば、自分もこれまで気づかぬうちに相手が怒りを覚えるような運転をしたことがあるかもしれません。こう、考えてみれば、少しだけでも怒りが小さくなりませんか?

それでも、怒りが収まらない場合は、こんなふうに自分に言ってみてはどうでしょう。「ああ、危ない。でも私が運転していたから事故にならずに済んだのだ」と。自分で自分を評価することで、前よりも心が落ち着くはずです。通りすがりの相手に無駄なエネルギーを浪費する必要はないのです。

怒りを生み出す根源は「相手への過剰な期待」から生じてくる場合がほとんど。そこには、相手に対する甘えや自己中心的な考えが潜んでいます。他人は、自分の思うままには変えられないもの。過剰な怒り、一時的な感情に振り回されないためには、自分の思考を切り替えていくほかありません。

自分の「裏感情」を見据え、怒りを制御できれば、親密なコミュニケーションが図れ、より豊かな人間関係を築いていけるのではないでしょうか。


私自身の怒りが湧いてくる時を振り返ってみると、今回ありました「~べき思考」が働いていることがわかります。大体自分の立場で考えて、相手には「~べき思考」で物事を考えていますね。

身近な例ですが、歩いているときに横断歩道では、「歩行者優先!車が止まるべき」と考え、車に乗っているときに横断歩道でないところを横切る歩行者を見ると「急に飛び出してきて危ないな」と、「横断歩道をわたるべき」と思って怒っているときがあります。自分の立場だけで物事を考えているから、思考が狭くなっているのだと思います。

自分勝手に「~はず」「~べき」「~もの」という「相手への過剰な期待」によって怒りが湧いたときは、それを「恥ずべきもの」として控えて、無駄なエネルギーを浪費しないよう、自分の思考を切り替えていきましょう。

次回までよろしくお願いします。

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