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  • 後藤教会長

~教会長のいい福通心(つうしん)158号~

4月から新年度を迎え、新たな生活がスタートする方やこの機会に心機一転で取り組もうという方も多いと思います。やくしんを読み返す中で、特集「あるがままで本領を発揮する」(やくしん 2017.9)とありました。新たなスタートをするこの時期におすすめしたいと思います。自分の力をより発揮するにはどうしたらよいのかを、心理カウンセラーの丸山弥生さんの記事「一人ひとりが尊い価値をもった存在」から学んでいきましょう。


○「平常心」で生きる

禅語に「平常心」という言葉があります。一般的には、普段どおりの落ち着いた心境という意味合いで使われますが、禅の世界で平常心とは〈人間の心は揺れ動くのが当たり前、それが平常な心〉ということだそうです。

例えば、結婚式でスピーチをするとき、大勢の人に見られていると思ったら緊張しますよね。〈落ち着かなきゃ〉と思えば思うほど、余計に心臓はドキドキしてしまいます。でも、そんな状況では緊張するのが当然なのです。ですから、無理にリラックスしようとせず、緊張した心のままで、自分がやるべきこと、つまりスピーチの内容をしっかりと話すことに集中すればいいのです。それでこそ、より良いスピーチもできるのではないかと思います。

これは「森田療法」と呼ばれる心理療法で、禅の考え方をベースにしています。その基本は「あるがままで生きる」ということです。気分や感情は自分ではなかなかコントロールしにくいもの。ですから、感情はひとまず脇に置き、いま自分がなすべき事を実行するのです。そうしているうちに、知らず知らず気分も変わっていきます。

自分の力が発揮できていない時、私たちは〈周りからどう見られているだろうか〉と、自分の外に目が向いていることが多いようです。でも、自分が思っているほど、人は他人のことをあまり気にしてないものです。周りの状況にとらわれず、目の前のことに精いっぱい取り組んでいく。そうすることで自分の役割も果たせるのだと思います。

心理学に「感情と行動の分離」という考え方があります。人間は感情に関係なく行動できるということです。〈掃除するのは嫌だな、面倒臭いな〉と思いながらでも、とりあえず掃除を始めてみる。すると、次第に気分が乗ってきて、心が清々しくなることがあります。体を動かすと脳内からホルモンが分泌され。脳の中にある側座核という“やる気スイッチ”を刺激するそうです。ですから、気持ちはどうであれ、まず行動に移してみようと心がけると、充実した日々が送れるのではないでしょうか。

また、自分自身を「認めてほめる」ことも大事です。たとえば、健康のためにジョギングを始めたとします。一日目はしっかり走ったけれども、二日目は筋肉痛もあって、ついサボってしまった。そんな時、〈私ってダメだな・・・・・・〉と自分を卑下してしまうかもしれません。でも、走らなかったことを後悔するのは、自分が前に進んだということ。以前は走ろうとさえしなかったのですから、それだけ自分は進歩したのです。その小さな変化を見逃さないことが大切です。千里の道も一歩から。できなかった自分を責めるよりも、たとえわずかでも、やれた自分をほめることで、喜びになり、もっと努力しようというモチベーションにもつながるのだと思います。


以前、何かの本で「やる気がでないからやれないという人がいるが、やらないからやる気がでないのだ」ということが書いてありました。

まずは、「自分がなすべきことを実行する」ことが大切なのだと感じました。実行するところに心、気持ちがついてくるのです。

今回は、自分のなすべきことに丁寧に取り組んでみましょう。

次回までよろしくお願いいたします。




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