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  • 後藤教会長

~教会長のいい福通心(つうしん)159号~

前回から、特集「あるがままで本領を発揮する」(やくしん 2017.9)の中から、自分の力をより発揮するにはどうしたらよいのかを、心理カウンセラーの丸山弥生さんの記事「一人ひとりが尊い価値をもった存在」を紹介しています。今回も前回の続きから学んでいきましょう。


○毎日をただ一生懸命に

「マズローの欲求五段階説」によると、人間の欲求は、生きる上での基本的な「生理的欲求」に始まり、「安全欲求」「社会欲求(所属欲求)」「承認欲求」と、より高次元の段階に進んでいくとされます。「承認欲求」までは、「これが欲しい」「自分を認めてもらいたい」という、いわば自我を満足させたいと願う段階です。

でも、そうした欲求が満たされた最後の「自己実現欲求」の段階では、自分の価値は自分でわかっているからこそ、もう他人の評価を気にしたり、自分のことを声高に主張することもありません。〈自分が人生をかけて培ってきたもの、たくさんの人に支えてもらい、いただいてきたものを、今度は人に与えていきたい、社会にお返ししていこう〉という気持ちにもなっています。純粋で、エゴを越えた、いわば「自己信頼」の境地といえるでしょう。自分を信頼しているからこそ、同じように「他者信頼」「他者尊重」もできます。この「自己信頼」の状態こそ、自分の本領を発揮している姿ともいえます。

本領を発揮するとは、自分以上の自分になることでも、自分以外の自分になることでもありません。毎日の生活をただ一所懸命に生きる。― いまの自分のままで本領を発揮しているのです。本領発揮の仕方は、人それぞれです。人の話にじっと耳を傾けることで、相手の心を癒している人もいるでしょう。物静かでおとなしい人でも、そこにいるだけで周囲を穏やかにしているかもしれません。隣の芝生は青く見えるものですが、一人ひとりには必ず素晴らしい「本領」があるのです。

さらに言えば、私たちがいまこうして生きていること自体、すでに本領を発揮しているのではないでしょうか。私たちは、奇跡的にこの世に生まれてきた存在であり、長い宇宙の歴史のなかで 、後にも先にもたった一つしかない貴重な存在なのです。そのいのちに意味や価値がないとは、とても言えないと思います。自分を誰かと比べて卑屈になったり、特定の価値観に縛られたりといった相対の世界でなく、一人ひとりが尊い価値をもった絶対の世界を生きていきたいものです。


今回読ませていただく中で印象に残ったのは、本領を発揮するとは、自分以上の自分になることでも、自分以外の自分になることでもなく、毎日の生活をただ一所懸命に生きることということです。― いまの自分のままで本領を発揮していることに気づくことが大事なのですね。

自分のいのちの尊さに気づき、今目の前の人に喜んでもらえるように、一つ一つを丁寧に一所懸命に取り組んでいくことが、自分の本領を発揮していることなのだと感じました。

今回は、自分の「本領」を発揮していることに目をむけていきましょう。

次回までよろしくお願いいたします。



写真は富山還水公園の世界一美しいと言われているスターバックスコーヒー。

後ろに見えるのは立山連峰です。

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