特集「あるがままで本領を発揮する」(やくしん 2017.9)の中から、自分の力をより発揮するにはどうしたらよいのかを、心理カウンセラーの丸山弥生さんの記事「一人ひとりが尊い価値をもった存在」を紹介しています。今回も具体的なタイプ別に、自分の力を発揮するためのポイントを学んでいきましょう。
○不平、不満、愚痴の多い人
不平や不満。愚痴が出るのは、それだけあなたが頑張っているという証拠です。だから、期待した結果が出ないと、つい愚痴を言いたくなるのです。(愚痴を言いたくなるほど私は努力したのだ)と、まず見方を転換してみましょう。
そのうえで、不平や不満を言ってしまう自分の思考パターンを見つめてみることも大切です。心理学では、出来事や事実を自分がどう受け止めるかによって感情も決まるという「ABC理論」があります。たとえば、雨が降った時に、ある人は〈駅から家まで自転車を押して帰らなければいけない。嫌だな〉と思うでしょうし、〈駅前のスーパーは雨の日にポイントが三倍になる。ラッキー!〉と思う人もいるでしょう。雨が降るという一つの現象でも、その人の見方、受け取り方、感じ方によって、わき上がる感情はさまざまです。
顧客からクレームを受けた時でも、〈なんで私が電話を受けちゃったんだろう・・・・・・〉と、嫌な思いで対応するよりも、〈クレームのおかげで気づかないところを教えてもらったな〉〈人と上手に対応できる自分になれたな〉と受けとめられれば、人生のスキルが一つ上がったと感謝できるのではないでしょうか。変えられるのは、出来事ではなくて、自分の心だけです。幸不幸を決めるカギは、自分のなかにこそあるのです。
私たちは、仏さまの教えを通して、仏さまの見方、受け止め方、考え方を身につけようと日々精進をしています。出来事や相手を変えることに集中してしまいますが、自分の心、見方、受け止め方、考え方を変えることが、幸不幸を決めるカギなのです。
私も以前、大変なこと、大変だと思うことが多々ありました。今も無くなったわけでもありません。しかし、「大変とは大きく変わると書く。大変な時こそ大きく変わるチャンス」と教えていただき、大変だと思うことがあってもそれを受け入れ、成長の糧に少しずつできるようになってきたと思います。出来事は変わっていないのに、出来事の受け止め方が変わり、心が変わることで前向きになれました。
今回は、不平や不満に感じることがあったら、それを受け入れ、見方を変える努力をしてみましょう。
次回までよろしくお願いします。
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