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後藤教会長

~教会長のいい福通心(つうしん)164号~

特集「あるがままで本領を発揮する」(やくしん 2017.9)の中から、本領を発揮し、生きがいのある人生を送るためには、いまを大切にすることだと、仏教的視点から、過去・未来にとらわれず、いまを大切にする術を、スマナサーラ長老(スリランカ上座仏教・テーラワーダ仏教)が教えてくださっています。前回の続きです。


○“いま”という時間の間隔を短くする

ある程度の枠で時間を区切った方が、何事も実践しやすくなります。それが集中するコツです。最初は「1時間、雑念なく仕事を頑張ろう」と取り組む。心は過去未来の妄想に走りますが、普通よりはマシな結果になります。そこから徐々に時間を細かく区切っていきます。いまという時間を10分、5分、1分と短くすることで、“いま”をより強く意識できるようになり、集中力も高まります。「集中力がある」状態とは、心が過去未来の妄想に引っかかっていない、ということなのです。


○優先順位が存在することを意識する

目の前に三つのやるべきことがあるとします。しかし、私たちはそれらのことを同時に実行することはできません。5キロ離れた場所にいる友人Aに会い、10キロ離れた友人Bに会い、いまいる場所で何かをする。そんなことは誰にもできません。

私たちは優先順位をつけていま何をするべきか選択しなければならないのです。いくつかの選択肢から一つを選んだら、もうくよくよ悩む必要はありません。選択しなかったことを考えないようにしましょう。もし、捨てた選択肢を気にしてしまうと、目の前のことに集中することができなくなります。


私は、あれこれ考え、過去未来の妄想に引っかかることがあります。頭で考えていても、何にとらわれているか自体にも気づかないことがあります。特に、いろいろなことが同時に出てくると、どれから手をつければいいのかわからず、気持ちだけが重くなってしまう時があります。皆さんにもあるのではないでしょうか。

そのような時は、まずはやらなくてはいけないことを紙にでも書いてみて、具体的に何があるのかを客観的に把握することを大事にしています。そして、それに対して優先順位をつけることが大事なのです。私でないとできないこと、他の方にお願いできること、すぐにやらないといけないこと、もう少し後でも大丈夫なこと等、優先順位のつけ方はいろいろあると思いますが、優先順位をつけたら、時間を区切ってそれに集中することが大事なのですね。

今回は、やるべきことに優先順位をつけて、そのことに心を込めて取り組んでみましょう。

次回までよろしくお願いします。




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