今月の7月15日は盂蘭盆会(うらぼんえ)を迎えます。盂蘭盆会を迎えるにあたって、盂蘭盆の意味を学び、そこから私たちが大事にしていくことを何回かに分けて学んでいきたいと思います。前回までは会長先生の躍進ご法話「真実を見る」(2008年.8月)から学びましたが、今回からは、ご法話に学ぶ「真実を見る」教務部編(2008年.8月)から学んでいきましょう。
○自分の先入観に気づく
私たちはともすると、自己中心にものごとを考え、「自分が正しい」と思ってしまいがちです。そのため、「あの人は頑固だ」「この人は短気だ」などと、評価してしまうことはないでしょうか。そこから脱却するためには、まず自分が先入観を持っていることを認識することが必要になります。そして、自己を内省する習慣を身につけることが大切です。仏さまの尺度でものごとを考えられるようになると、自己中心な自分に気づけるようになるのです。自己を内省していくと、「自分さえよければ」とか「自分だけが頑張っている」「誰も自分を認めてくれない」など、自分の尺度でものごとを受けとめていることに気づきます。会長先生から「さまざまな妄想によって、自他の本来の姿が見えなくなり、ギクシャクした人間関係に苦しむことになります」と教えていただくように、日頃、人間関係で苦しむことは多いものです。一方で、苦しみに直面したときに、話を聞いてくれる人がいるからこそ功徳に変えていけるのです。私たちは一人では生きていけません。人とのふれあいを避けるのではなく、調和のとれた人間関係を保つために、常に白分の心を見つめていくことに努めさせていただきましょう。
自分自身を振り返ると、教会から家に戻る(教会から離れ信者さんと触れていない)時、自己中心にものごとを考え、「自分が正しい」と思っていることがよくあります。
例えば、横断歩道で待っていても止まらない車を見ると、「交通ルールを守れないのか」と思ってみたり、歩道を自転車が並んで進んでくると、「車道を通ればいいのに」と思ったりします。そのような時は、歩行者の立場で「自分が正しい」という気持ちがムクムクと湧いているのです。しかし、面白いもので、自動車を運転する時は自動車を運転している立場で、自転車に乗っている時はその立場で考えて、自分中心に考えて一人で腹を立てているのです。
教えに基づいた考え方を忘れると、自分の立場だけでものを考えてしまいます。内省することを習慣にすると、自分の立場だけで考えるのではなく、相手の立場で考えることができるようになります。
人間関係で腹を立てたり、ギクシャクしたりする時こそ、一度止まって、内省をして正しく見たり、考えたり、受けとめたりすることが大事ですね。
次回までよろしくお願いします。
写真は高志支部に行く途中の風景です。心安らぐ風景です。
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