盂蘭盆会の式典の中で、会長先生が蓮の花のお話を紹介してくださいました。今回は蓮の特徴を学んでみたいと思います。
私たちが読誦しているお経のタイトルにも「妙法蓮華経」と蓮の花が出てきますね。蓮の花には三つの特徴があるそうです。
①花果同時(かがどうじ)…花と果実が同時ということです。実際に花が開いたときに、中にすでに果実の赤ちゃんが存在しています。蓮の花は三日間咲き、四日目には散りはじめますが、花が開いたときに、すでに実があるのです。普通の花は、開いた花の中に雄しべと雌しべがあり、ミツバチやチョウなどによりそれが受粉して、実をならせるわけですが、蓮の場合は、花が開いたときにすでに実が存在しています。
②汚泥不染(おでいふせん)…汚れた泥に絶対に染まらない。立ち上がってきた蓮の花は、すべてがきれいに咲いて、花の上に泥はまったくありません。泥色にも染まっていません。泥の影響を受けずに、ただひたすら崇高(すうこう)に咲いています。どんなに汚い泥の中から立ち上がってきても、その泥の汚れに影響を受けずに、少なくとも、泥の中から立ち上がってきたことを感じさせないほど美しく咲いています。これが汚泥不染ということです。
③蓮にあだ花なし…「あだ花」とは咲きそこなったり、きれいに開かなかった花のことを言いますが、泥水から立ち上がってきた蓮の花は、必ずきれいに完璧に咲くということを言っています。蓮にはあだ花はありません。つまり、どんな悩み・苦しみ・大変なことの中から立ち上がってきても、そういう泥を突き抜けて花を咲かせた人は、必ずや悟り、美しいものを手に入れるのです。
花果同時ということで、開祖さまのご法話の中に次のようなものがあります。
「蓮の花が開くと、その花の中にすでに実が生じています。それと同じように、因と果は同時というのが仏教の考え方です。悪事を犯しても人に見つからなければ罰を受けずに済む、と考えたら大間違いです。良心の呵責(かしゃく)で、眠ることもできなくなってしまいます。反対に、せっかく善根(ぜんこん)を積んでも、だれも評価してくれないと考える人がいますが、これも間違いです。
人さまに喜んでもらえる奉仕をされた人は、よくご存じのはずですが、善いことをすると、言いようのない喜びがわいてきて、心が清々としてなんの心配もない日々を過ごせます。」
今回は、「蓮」の特徴を意識して、今を大切に成すべきことに真心込めて取り組んでみましょう。
次回までよろしくお願いします。
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