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後藤教会長

~教会長のいい福通心(つうしん)211号~

2024年を迎えました。このいい福通心が、日常の幸せ(いい福)を感じていけるように、仏教、佼成会の教えを通して、本年も皆さまと心が通い合えるような機会になればと思っております。本年もよろしくお願いいたします。

今回も「会員綱領」の「家庭・社会・国家・世界の平和境(常寂光土)建設のため」の部分を学びます。

「やくしん(2019年6月~8月号)の特集、「私の『会員綱領』」から引用しています。

○ご宝前を中心とした生活

釈尊の逸話に次のようなものがあります。

あるとき、天神が「人びとのよりどころは何か?この世で最上の友は誰か?」と尋ねました。これに対し釈尊は「子らは人びとのよりどころである。妻は最上の友である」(相応部(そうおうぶ)経典)とお答えになりました。

この問答を読み解くと、国や世界の平和は、子どもたちが健全に育つかどうかにかかっているということです。そして、妻は「最上の友」だと言われます。もちろん、妻からみれば、それは夫のことであり、人生のパートナーを尊重し、慈しむべきであるということです。

「会員綱領」に「家庭・社会・国家・世界の平和境(常寂光土・じょうじゃっこうど)建設のため」とあるように、まず何よりも平和な家庭をつくることが大事なのです。それが地域社会に、国全体に、そして世界へと広がって、寂光土がこの世に現出するのです。家族がバラバラで信頼の絆が失われてしまったら、社会が混迷をきわめるのは目に見えています。ですから、平和な世の中をつくる基盤は家庭にこそあるといっても過言ではありません。

会長先生は、家を斉(ととの)えていくことは、人づくりであり、世界平和そのものにつながっていくとし、仏さまの教えを中心とした、温かい家庭を築くことの大切さを説かれます。そして、家庭を斉えていくための具体的な指針として、「三つの実践」(あいさつをする・「はい」と返事をする・椅子を入れ、履物をそろえる)と「ご宝前を中心とした生活」の二本柱をあげられています。

あいさつは、相手を大切に思う心を育てます。「はい」という返事は、漢字で「拝」と書くように、相手を拝み敬う素直で謙虚な心を養います。また、靴をそろえたり、椅子を元の位置に戻すことは、自分の行ないに責任を持つことにつながります。このわずか三つの実践によって、自らの心が調(ととの)い、家庭が斉います。それは、自己中心の殻、我というものを打ち砕くことができるからです。

「ご宝前を中心とした生活」とは、仏さまの尺度でものをみるということです。お互いを尊重し、拝み合うということです。そして、大いなる一つのいのち、尊いものに、親が参り、感謝を捧げる姿ほど、子どもの教育にとって大切なことはありません。

「三つの実践」、「ご宝前を中心とした生活」により、ぬくもりのある家庭づくりを心がけたいものです。その心がけによって平和な心の輪が地域へと広がっていくのです。

家族で過ごす時間が多い年始の時期だからこそ、「三つの実践」、「ご宝前を中心とした生活」を大人が実践して、その姿を見せていきましょう。

今年もよろしくお願いいたします。





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