今日も、「諸行無常(しょぎょうむじょう)」について学んでみたいと思います。「諸行無常」とは「この世のすべての現象は変化する」という意味です。
前回は、固定観念についてお伝えしました。今日は、執着、とらわれについて学んでみましょう。
突然ですが、皆さんはチンパンジーやオランウータンを生け捕りにする方法をご存じでしょうか。それにつて面白い話があります。
ある罠(わな)を使うのですが、土を固めて小さな小山をつくり、そこに「チンパンジーやオランウータンが手を入れられるくらいの穴」をあけておくそうです。その中に「バナナや木の実」を入れておきます。チンパンジーやオランウータンはそれを見つけると、穴の中に手を突っ込み、「バナナや木の実」をつかみます。その穴は、何もつかんでいないときは手を出し入れできるのですが、ものをつかんでこぶしを握ったときは、引っ張り出せない程度の大きさになっています。
ですから、手を放せばすぐに逃げることができます。しかし、チンパンジーやオランウータンは、一度つかんだ獲物を決して手放そうとしません。だから逃げ出せなくなり、生け捕りにされてしますわけです。
皆さんはどのように感じましたか?これを読むと「手を放せばいいのに」と思うのではないでしょうか。
しかし、手を放せばいいとわかっているのに、私たちも何かに対してむんずと握りしめて身動きが取れない状態になっていることはありませんか。
「あの人にあんなことを言われた」「昔はこうだったのに、今はなんでこうなの」・・・等、「こうでなければ嫌だ」「どうしてもこうなってほしい」と思う執着を握りしめていることがありますね。知らずに握りしめている、その執着を手放すことを教えているのが「諸行無常」です。
「話す=放す・離す」です。人に話してみる、あるいは何かに書いてみることもいいですね。そのことによって、自分のとらわれていることを放す、あるいは変化を受け入れていくきっかけになります。
今日は、知らずに握りしめていることはないかをふり返り、それを手放してみませんか。
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