何回かに分けて常不軽菩薩のことや仏性礼拝について学んでいます。今回も、『やくしん』(2018.12月号)の特集「常不軽菩薩に学ぶ―仏性礼拝行」の中から学んでいます。今回も【まとめと実践】「素直な心でありのままに見る仏性礼拝行」のところを学んでみましょう。
○日頃の自行が大切
すべての人の仏性を礼拝できるようになるには、日々、真理•法に沿った生き方をすることが大切です。自らを内省し、人の幸せを願って生きるための実践行として、「八正道(はっしょうどう)」、「六波羅蜜(ろくはらみつ)」(下記参照)を教えていただいています。
そして、佼成会会員として大切な修行としては三つの基本信行(ご供養、導き•手どり・法座、ご法の習学)、日頃の実践行としては三つの実践(朝のあいさつ、「はい」と返事をする、椅子を入れ 履物を揃える)があります。これらのどれか一つからでも意識して積極的に実践させていただきましょう。相手を思って行じるこれらの実践が、自分の仏性の自覚に立ち、自他共に仏性を礼拝、開顕させる機縁となるのです。
◎八正道―真理・法に沿った人生の基本指針
正見(しょうけん)…素直に見て、ありのまま大らかに受け止める
正思(しょうし)…大きな思いやりの心で考える
正語(しょうご)…人の意見をよく聞いて、心が和らぐ言葉で語る
正行(しょうぎょう)…殺生しない、邪(よこしま)な男女関係を結ばない
正命(しょうみょう)…仕事の対象となる相手や物を尊び、敬い、感謝の念をもって取り組む
正精進(しょうしょうじん)…天地自然の理(ことわり)に随(したが)って生きるように勤める
正念(しょうねん)…思いやりの心をもって生きようと願う
正定(しょうじょう)…周囲の影響や環境の変化に動揺しないように努力する
◎六波羅蜜―菩薩行の教え
布施(ふせ)…見返りを求めず、他のために尽くすこと。他を思いやる行為
持戒(じかい)…身を慎(つつし)むこと。人道に沿った生き方をすること
忍辱(にんにく)…すべてに寛容に振る舞うこと。得意な状態にあっても有頂天にならないこと。忍耐力と謙虚さを身につけること
精進(しょうじん)…何事にも惑わされずに自分本来の力を発揮し続けること
禅定(ぜんじょう)…常に真理に心を定めて、迷ったり動揺したりせずに、正しく考えること
智慧(ちえ)…ありのままの相(すがた)を見きわめること。すべてを正しく生かす力。智慧をもつことができれば、自分も正しい生き方ができ、多くの人びとをも正しい道に導くことができる
【わたしの所感】
すべての人の仏性を礼拝、そしてすべての人を尊重できるようになりたいと思いますが、そのようにできないのは、私の中にある差別心や虚栄心、執着心などが邪魔をします。また、相手の立場よりも自分の立場を優先しようとする心が邪魔をします。
だからこそ、日々、真理•法に沿った生き方をすることが大切なのです。それでは、日常の中で具体的に、実践しやすいのは何かというと、三つの実践(朝のあいさつ、「はい」と返事をする、椅子を入れ 履物を揃える)があります。このことから続けていくことが大事です。
ある方が、ものごとが成就するコツは二つあると述べていました。それは何か?「コツコツと続けること」だそうです。まずは、三つの実践から続けていきましょう。
次回までよろしくお願いします。
写真は宮島の「厳島神社の鳥居」です。
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