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後藤教会長

~教会長のいい福通心(つうしん)233号~

何回かに分けて常不軽菩薩のことや仏性礼拝について学んでいます。今回は、幹部向け冊子『ほっしん』に掲載された、東京教区長(当時)松原利予さんの「仏性礼拝行は修行の本道」の続きから学んでみましょう。


〇お母さんのお役を果たしたからよ!

もう一つ実例を紹介しますと、先日、教会の教務員さんが腰のところに手を当て、自分の心得違いを教えてほしい、とやって来ました。よく話を聞くと、子供の運動会の綱引きに参加して、腰を痛めてしまったというのです。

私には(こうして真剣に求めて来る教務員さんは、素直な善い人なのだ)と思えました。そこで、「教務員さんはお母さん役を一生懸命したのでしょう。だから腰を痛めたのでしょうね。そんなお母さんの姿を見て、お子さんはなんて言ってた?」と聞くと、教務員さんは、

「お母さん凄かったよって、喜んでいました」

「そう、それは教務員さんがお母さんのお役を果たしたからよ!」

いつもお役が優先し、子供のことを二の次にしてしまっていた教務員さんは、綱引きによってお母さん役が立派にできたことに気づき、喜びを満面に浮かべ、元気になっていきました。

もし、ここで私が腰を痛くしてしまった原因を追求していたらどうでしょう。

「年甲斐もなく見栄を張って、綱引きなんてするからよ」などと、自分の悪いところを指摘されてしまっては、誰しもいい気持ちはしません。しかも、日頃お母さん役ができないから、子供のために頑張ろうと思った菩提の芽もつぶしてしまうことになるでしょう。

教務員さんの場合、たとえ自分の悪いところを指摘され、内心で反発をしてしまったとしても、表面には出さずにお役を続けていくことでしょう。

しかし、そのような心を引きずったままお役(=菩薩行)を実践していくとしたら、それこそもったいないことではないでしょうか。


【わたしの所感】

今回も大変学びになりました。「教えてください」と言われると、つい、できていないところ、足りないところを探し出し、指摘してしまうことがあるなと反省しました。相手にふれた自分自身が、相手の心境を組んであげられる『優しさの実践者』として、相手にふれていくことが大事だと再確認できました。出会う相手の「人を思いやる心」を見つけ、引き出していける縁になっていきたいと思います

次回までよろしくお願いします。



写真は勝山支部を見守っている恐竜です。

勝山支部のすぐそばに安置してあります。さすが、恐竜博物館もある勝山です。

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