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  • 後藤教会長

~教会長のいい福通心(つうしん)235号~

前回の配信から少し時間が空いてしまいましたが、今回から『心が変われば世界が変わる -一念三千の現代的展開-』(立正佼成会会長 庭野日敬)を紹介したいと思います。開祖さまがまだ「立正佼成会会長」と表記されていた時の佼成新聞の連載ですから、だいぶ前だと思います。資料を整理する中で、あらためて読ませていただき、とても感動しました。皆さんと一緒に学んでいきたいと思います。


○心の立て直しで世界平和を

皆さんもよくご存知のように、私は、<世界平和>のために懸命に働いている者であります。世界平和のための努力といっても、あるいは政治・外交の面から、あるいは産業・経済の面から、あるいは文化交流の面からという具合に、さまざまな路線がありますが、私は宗教者ですから、「人類の心を立て直すことによって世界に平和を」という路線をとることは言うまでもありません。そして、そのために不可欠の階梯(かいてい)として、「まず世界の宗教者が心を一つにし、力を協(あわ)せようと呼びかけているわけであります。

ところが、一般の方々の目から見れば、こうした行き方は大変迂遠(うえん)であり、いわゆる<百年河清(かせい)を待つ>に等しいと考えられがちです。「そんな理想主義的なことを言っていてどうなるものか。現実はそんな甘いものではない」と評する人もあります。

そんな人に対して、私は反問したい。第一に、「では、他にどんな方法があるのですか。完全な平和世界を作り上げる道が、ほかにあるのですか」と。

第二に、「あなたは<理想>と<目的>とが混同しているのではないですか。目的は、それに到達した時、初めて価値を生ずるのですが、理想は、それに向かって踏み出す第一歩から、すでに一歩だけの現実的価値を生ずるものではないのですか」と。

ハーバード大学のソローキン教授は、その名著『人間性の再建』の結論として「世界永遠の平和のためには、人間性が立て直されなければならぬ」と断じています。まさにその通りです。世界を平和にするには、人類の心を変えるよりほかに道はないのです。

「人類の心を変える」という言葉を額面通りに聞けば、まるで雲をつかむような全く現実離れのした考えのように思われるでしょう。しかし、よくよく考えてみれば、決して現実から遊離したものではないのです。その第一歩として、もしあなた自身が心を非利己的に、愛他的に立て直すならば、確実にあなた一人だけは心安らかな平和人間になれるのです。ということはつまり、微小ながらも世界平和のための一粒の種子が現実に芽生えたことになるのです。

そして、そうした新しい心の芽生えが家族へ、職場へ、地域社会へと次第に広がっていけば、その広がりの過程の中で一歩一歩確実に理想が達成されていくのです。

われわれが信奉している仏教は、実はそうした教えなのです。世界の永遠の平和を理想とし、まず個人個人の心から立て直していこうという考えなのです。なかんずく、われわれが所依の教典としている法華経は、<心が変われば世界が変わる>ことが可能である原理と、その具体的方法を説いたものなのです。だからこそ<諸経の王」と言われる大きな理由の一つが、実にここにあるのだ、と私は信じております。


【わたしの所感】

世界を平和にしていくには、その第一歩として、自分自身が心を非利己的に、愛他的に立て直すならば、確実に私人だけは心安らかな平和人間になれるのであり、微小ながらも世界平和のための一粒の種子が現実に芽生えたことになることを教えていただくと、勇気が湧いてきます。

そして、そうした新しい心の芽生えが家族へ、職場へ、地域社会へと次第に広がっていけば、その広がりの過程の中で一歩一歩確実に理想が達成されていくのですから、まずは、私からやさしくなっていきましょう。次回までよろしくお願いします。



写真は本部の方が送ってくれた蓮の花です。

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