佼成新聞に連載されていた開祖さまの、『心が変われば世界が変わる-一念三千の現代的展開-』を紹介しています。今回も、皆さんと一緒に学んでいきたいと思います。
○自然界と調和して共存する
結核菌やコレラ菌はドイツのローベルト・コッホ博士によって発見されました。それは人類のための大きな貢献には違いなかったのですけれども、しかし、残念なことには、こういう病原菌が発見されると、とかく人間はそれを絶対視してしまいがちなのです。菌もわれわれ人間と同じく、諸行無常・諸法無我の法則を受ける生きものであり、決して絶対の存在ではないのですから、極端に恐れることはないのです。
現実にわれわれは、口や喉や鼻や腸内には、いつもいろいろな細菌を持っており、また、悪い細菌やビールスを絶えず吸い込んだり飲み込んだりしているのですが、心身共に健康であれば、それらに侵されて発病することがありません。つまり人間は、自然界に存在する無数のバクテリアやビールスとも調和しながら共存しているのであって、この調和が崩れると、病気になるわけです。
普通には、そうした病原菌を頻繁に、あるいは濃密に吸い込んだり飲み込んだりすると発病すると考えられていますが、必ずしもそうとは限りません。もしそうだとしたら、毎日毎日病原菌の中で生活している医師や看護婦など、命がいくつあっても足りないはずです。医師や看護婦がなぜあんなに強いのかと言えば普通人のように病原菌を極度に恐れないからだ、と私は信じています。そのことについて面白い話があります。
今から百年ほど前、前記のコッホ博士がコレラ菌を発見し、コレラはこの菌で起こることを発表しました。ところが、ペッテンコーフェルという学者は「それが第一義的原因ではない」と猛烈に反対し、コッホ博士との間に激しい論争が繰り返されました。そのあげく、ペッテンコーフェル博士は「私が実験台になって証明してみせる」と言って、何十億というコレラ菌を飲んでみせたのです。それは千人以上の人を感染させるほどの量だったのですし、すでに七十四歳という老齢だったにもかかわらず、わずかに軽い下痢をしただけでピンピンしていたというのです。便を調べてみるとコレラ菌がウヨウヨしていたそうですけれども。
【わたしの所感】
今回の内容を読ませていただく中で、新型コロナウイルスのことを思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。たくさんの方が感染しましたが、私も感染しました。しかし、病院で仕事をしている妻は、現在まで感染をしないで過ごしています。「新型コロナウイルスに感染しない!」と自分に言い聞かせ、気合で乗り越えてきたように思います。日常の健康管理も気をつけていましたが、気持ちを強く持ち、笑顔と感謝の生活が免疫力を高めているのだとあらためて感心しました。毎日の生活の中で、心身共に健康に気をつけていきましょう。次回までよろしくお願いします。
写真は、あわら支部に布教に行った時に飾られていました。かわいいです。
こちらはご主人の作品ですが、奥さんの作品も玄関に飾られていました。
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