今日は、「一切皆苦(いっさいかいく)」について学びます。
今までは「三法印」について学びましたが、「一切皆苦」を含めると「四法印(しほういん)」といいます。
「一切皆苦」とは「私たちが、この世の真理(諸行無常・諸法無我)を悟らないかぎり、人生は常に苦しみにつきまとわれ、一切のことが苦になる」ということです。
人生は苦に満ちています。人間は、歴史が始まって以来、苦から逃れる努力を続けてきました。
そしていまでは、文明の発達によって素晴らしい環境をつくり出しました。しかし、人間の苦しみは軽減されたかというと、むしろ、より複雑な苦しみが、次々と生まれてきています。新型コロナウイルス感染拡大による閉塞感、先がわからない不安や恐れ、等もその通りです。
それゆえに、「諸行無常」の真理を通して、固定観念・執着から素直・反省・努力精進の生き方に切り替えていく。そして「諸法無我」の真理を通して、孤立・自己中心になりがちな生き方から、報恩感謝・奉仕・調和した生き方をしないかぎり、「一切は皆苦である」と示されているのです。
「一切皆苦」を悟ることは、「諸行無常」・「諸法無我」の真理を悟って、涅槃寂静の境地に至ろうとする努力精進の心の糧になるわけです。
今日は、苦に感じることがあれば、真理(諸行無常・諸法無我)に照らして自分を振り返り、自分の出来ることに取り組んでみましょう。
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