11月に入りました。本会にとっては1年の締めくくりの月、そして開祖さまの「生誕会」を迎える大事な月です。今月も「感謝」を忘れず、有り難い日々を過ごしていきたいと思います。
以前、「四諦(したい)の法門」について学びました。その中で「四諦の法門」を締めくくる「道諦(どうたい)」の教えを、私たちの生活の場でどう実行するかを具体的に教えられたのが「八正道(はっしょうどう」と「六波羅蜜(ろくはらみつ)」の法門と学びました。今回からは、その「六波羅蜜」について学んでいきたいと思います。
「六波羅蜜」は菩薩の修行をするものの行いについて「布施(ふせ)」「持戒(じかい)」「忍辱(にんにく)」「精進(しょうじん)」「禅定(ぜんじょう)」「智慧(ちえ)」という、六つの徳目を示されたものです。ところで菩薩というものは、自分だけの迷いを離れれば十分というのではなく、他を救うのがその本質の働きですから、この「六波羅蜜」の実践のそれぞれの徳目は、すべて他を救う働きの中で発揮されるものです。私たちは様々な関わりの中で生きています。そうした関わりの中で私たちは人生苦にも直面しています。ですから、人さまの幸せのために生きていく菩薩行によって、自己中心の欲によってもつれた糸がほぐれ、そこに正しい関係が生じて苦が滅せられてくるのです。
「波羅蜜」というのは梵語(ぼんご)のパーラミターの音写で、もとの意味は到彼岸(とうひがん)(彼岸に到る)ということです。此岸(しがん)とは、私たちの住んでいる世界で、汚穢(おわい)に満ちた迷いの世界、彼岸は美しい常寂光土(じょうじゃっこうど)、悟りの世界を表しています。その中間には、業(ごう)・煩悩の濁流が渦を巻いています。その濁流を乗り切って彼岸に渡るには、どうしても六つの修行という船が必要なのです。それゆえ、六波羅蜜のことを六度(ろくど)(度は渡と同意)ともいうわけです。
次回からは六つの徳目について学んでいきたいと思います。
今日は、日常生活で目の前の人に喜んでもらえることに取り組んでいきましょう。
今月もよろしくお願いします。
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