早いもので12月に入りました。本会にとっては12月からが新年度スタートです。皆さま、今月もよろしくお願いいたします。
今日は六波羅蜜の四番目、「精進(しょうじん)」について、開祖さまの平成法話集『菩提の萌を発さしむ』(P230~)から学んでいきたいと思います。
「精進」とは、何らかの「価値あること」を、休まず、怠らず、コツコツと実践していくことです。
人間の行ないの中で最も価値あることといえば、仏道の実践です。人間の究極の理想は、仏の智慧に目ざめること、すなわち宇宙と人生の実相を究め尽くして、自由自在の人になることですから、その道をたゆみなく歩いていくことこそが、最高の「精進」であることはいうまでもありません。
しかし、その仏道の実践も、初めからむずかしいことを考えるのではなく、まずは朝夕の読経供養を怠らずに続けていけばいいのです。そうしているうちに、次第に心が清まり、安らぎ、教えが身にしみわたって人間性が高まっていきます。そして、いつのまにか菩薩行を実践している自分に気がつくというのが、仏道のいちばん平易な歩み方なのです。
そうした宗教的な境地の高まりだけでなく、現実的な功徳もそこから生じます。それは、ものごとに対する集中力が養われ、人間性について大きなプラスをもたらすことです。(中略)
野球の選手や相撲の力士といったプロの世界では、一日怠けるとそれをとりもどすのに三日かかるといわれます。進歩には時間がかかりますが、退歩はたちまちやってくるのです。
仏道を歩むのも同じです。一歩一歩と地道な「精進」を続けているあいだは、いい因縁が回ってきて順調に過ごせるのですが、懈怠(けだい)の心で立ち止まっていると、次から次に不都合な因縁がめぐってくることになるのです。
お互いさま、「もう十分に幸せになれたから」などと油断せずに、休まず、怠らず、精進してまいりましょう。
今回は一つ一つを丁寧に、目の前の人に喜んでもらえるように、真心込めて「思いやり」の実践をコツコツと「精進」していきましょう。
次回までよろしくお願いします。
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