今日は六波羅蜜の五番目、「禅定」(ぜんじょう)」について、開祖さまの平成法話集『菩提の萌を発さしむ』から学んだ内容をお伝えしたいと思います。
「禅定」とは、常に正しいこと(真理)に心を置いて、雑念にまどわされないことです。
しかし、新型コロナウイルスの報道、特に最近は変異株のオミクロン株の感染の報道を毎日見聞きしていると心が波立ち、緊急事態宣言が出されるような状況になったらどうしようかなど雑念にまどわされます。
私たちはつい損得を考えるあまり、「ああしよう」「こうしよう」と考えすぎるため、迷いが生じるのです。ですから、損得抜きで「何がやってきても力いっぱいさせてもらう」と心に決めていれば、いつでもその問題に最も適した姿勢で対応できると教えて頂きます。
そういう時こそ何が大事でしょうか?
まずは、朝夕のご供養がしっかりできていれば、ふだんの考え方もだんだんに雑念が少なくなっていくのです。
人間の心というのは、新しい考えを求めて絶えずフル回転しているものです。それが生きている証しでもあるわけですから、一点にとどまって動かないということは、本来むずかしいことなのです。けれども、心をこめて読経をさせていただくと、「仏さまに生かされている、守られている」「ご先祖さまはじめ多くの人の支えのお陰さま」という感謝がひしひしと湧いてきて、自然に心が清らかになって、その清らかな状態を保てるようになるのです。
この「仏さまに守られている」という気持ちになれれば、「禅定」を得たのと同じことです。そういう大安心があると、常に落ち着いた心でものごとの本質を見ることができます。まわりに何が起きようと、「これも仏さまのお手配だ」と、どっしりと構えて常に正しい対処ができるのです。
一つ一つを丁寧に、目の前の人に喜んでもらえるように真心込めて取り組んでいくことに心を向けていくことも「禅定」です。まずはご先祖さまに喜んでいただけるように、真心込めて読経供養に取り組んでいきましょう。きっと心が落ち着き、心穏やかな一日だったと感じていくと思います。
次回までよろしくお願いします。
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